“ふと、こころに残るクリスマス”

その年の秋、思いがけないことが起こった。
元気が取柄で、仕事に遊びに(家庭は二の次)充実した生活を送っていた私に突然の「入院宣告」、おまけに手術が必要だという。これだけはさからうことは出来ない現実。仕事の整理をして12月に入ってあわただしく入院となった。 20日に手術。かなり大掛かりだったので、その後2・3日は今でも記憶に残っていない。24日朝、体調が落ち着いて主治医の先生、看護師さん、家族と言葉を交わすことが出来て生きていることを実感(?) 「気分転換にTVでも見たら?」先生の一言でスイッチを入れると、どのチャンネルもクリスマス特集を組んでいて盛り上がっている。「最悪のクリスマスだなあ」と思いつつぼんやりと窓の外を見ていた。 夜、家族も帰り個室に一人になった。静かな夜・・・突然小さくドアをノックする音がして看護師さんの笑顔がのぞいた。「雪が降っていますよ」窓越しに外を見ると暗闇に舞う無数の雪の花びら。 その後元気を取り戻し、また仕事に遊びに飛び回っている私。今でも思い出すあのクリスマス・イブの夜。やさしい看護師さんの笑顔と言葉であったかく素敵な夜になった。数十年前のささやかなクリスマスの思い出である。文:上田とみ子様
写真提供:国吉真理子様

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